人とは、一度は後悔しなければならないことをする生き物だと思う。


「さて、古泉、聞きたいことがある」


いつもどおりの放課後、ふと思い出した話題を丁度良く目の前にいた古泉に確認してみることにした。
これが、俺の過ちだったとは今の俺には気づくこともできなかった。


「なんですか、藪から棒に」


だが、それでも俺は聞いてみたいという好奇心と、それと隣りあわせで存在する悪寒の招待を突き止めねばならなかった。


「風の噂に聞いた話だが……お前にホモ疑惑が出ているが、そこんところどうなんだ?」


時が、止まった気がした。


「…………」
「…………」


俺も無言、古泉も無言。


「…………」
「…………」


若干、俺の顔がひきつり始めているような気がする。
それと同時に、背中をまるで無視が這い上がってくるような悪寒も増大しているのはどういうわけか。


「…………」
「…………」


古泉のニセスマイルの性質が変化したような錯覚。
それと同時に確かになってくる俺の悪寒の正体。


「…………クスっ」


とても、意味深なような笑顔が返ってきた。


「否定しろよ!?」


結局、この後の古泉から否定の言葉は聞けなかった。
今後、古泉が一人の時は部室に近寄らないようにしようと心に誓う俺だった。


















 後書き

はい、魔が差しました。
お茶濁しはこれで終わります、きっと、

                それでは次回作にて。

            From 時雨  2007/03/30