どうも、古泉です。 先日は驚きました、まさか彼があんなことを言い出すとは思いも寄りませんでしたから。 しかし、思いも寄らなかったからこそ、彼のあの行動はあり得ません。 『機関』の上の方に聞いてみたところ、現状保留という曖昧な指示を頂いてしまったことですし。 「さて、これは、僕個人として動く必要が出るということでしょうか?」 本人達は気づかれていないとでも思っているか、はたまた、本当に無自覚の行動なのか、お二人とも、お二人のことを意識していると見て問題はないはずですが…… あの時、閉鎖空間の発生の予兆はありました、しかし、生まれなかった…… さて、これが僕の杞憂で終わらなければ、何かひと悶着、ありそうですね。 The melancholy of Haruhi Suzumiya
超能力者は、考える
Second Story from Sigure Minaduki 彼のあの一言があり、そして彼が部室から去った後。 僕の予想としては、閉鎖空間の確認と共に、出動命令が来るとばかり思っていたのですが。 しかし、その予想は外れ、気づけば、何事もなく部活を終了することになっていました。 「それじゃ、今日は解散ね。また明日」 「お疲れ様です」 特に、苛立っているような様子も見受けられません。 おかしいですね、彼女の性格を考えると、あのような物言いをされた後に苛立たないはずはないと思うのですが…… 「あ、涼宮さん」 「ん、なぁに、みくるちゃん?」 朝比奈みくるに対しても、八つ当たりというような雰囲気は見当たりませんね…… 一体どういうことでしょうか……? 「え、えっと、明日、ちょっとクラスのほうで用事があるので遅れますね」 「そ、わかったわ。じゃぁ終わり次第来て頂戴」 さて、涼宮さんの方は、なにやら一応の落ち着きを見せているようですが…… やはり先ほどの彼の態度が気になりますね、一度漏らしかけた、感情……後悔、あと屈辱感とでも言っておきましょうか。 それを僕よりも感受性の高いであろう涼宮さんが見逃すとは思えませんし、恐らくあれは、彼本意の台詞ではないでしょう。 一度、あちらの方の様子を見ておくのもいいかもしれませんね。 「それじゃぁ、僕も失礼します」 「あ、はぁい、お疲れ様でした」 彼の教室は、涼宮さんと同じでしたね。 もういないかもしれませんが、一応行ってみるとしましょう。 『……くそっ!こんなこと言わせやがって……』 教室への扉の前、そこに到着したとき、中から彼の声が聞こえました。 ……言わせられたという予想は、間違いではなかったようですね。 やはり、これは彼が望んだことではなく、誰かに言わされた、と言うことでしょう。 『……くそったれっ!』 扉越しにも聞こえるくらいの、痛々しい打撃音が教室から聞こえてきました。 それと同時に、普段の彼であればまず言わないであろう、罵倒するような言葉まで。 よほど、怒りが浸透しているということですね…… 『あの野郎、俺が……このまま引き下がると思うな』 僕の所属している『機関』は、涼宮さんを神として見ています、そして、彼もまた、重要人物として見ている。 世界崩壊を防ぐためという大儀のために我々がいる、しかし、今回の一件、一歩間違えば世界の危機を招いていた。 彼の言う『あの野郎』という人物を、探る必要がありそうですね。 ですが、それよりも重要なことが、ひとつあります…… 「彼のことですから、1人で解決しようとするんでしょうが……」 今のSOS団のことを、僕は割りと気に入っている。 そして、彼には特に強い友情のようなものを感じている。 友人のために、そしてその思い人のために、僕はこの和を乱す存在を決して許す気はない。 「『機関』の一員である、古泉一樹としてではなく、SOS団の古泉一樹として……」 もし、この一件に宇宙人が関わっているのなら、まず長門有希が怪しいと考えるべきでしょう。 しかし、彼女は数少ない感情表現の中で、彼に対して全て好意的な行動を取っている。 だから、今回、この件に対して宇宙人説はシロと考えていい。 「相談するとするならば、まずは長門有希と言うことですね」 次に、朝比奈みくるを含めた未来人説…… これは、申し訳ないがあり得ないと断言しても問題ないでしょう。 朝比奈みくるは、隠し事がまず出来ない、怪しい行動を取れば、すぐに見分けがつく自信がある。 他の未来人の可能性は捨てきれないが、おそらく関与はありえないでしょう。 まず、今世界が創造し直されれば、未来の自分達の存在も危ういということで、メリットがない。 「しかし、彼女に話せるとするなら、全てを磐石にした後ということになりますね」 先ほども言いましたが、彼女は隠し事に向かない。 そして、僕の所属している『機関』説。 これが僕としては、怪しいと感じている。 「僕には内密で、何かが動いている?」 今回の事件に対して、神への一番近いバイパスである僕には何も話が通っていない。 これが極端に怪しすぎますね…… 僕より上からの圧力……と、考えて進めるほうがよさそうですね。 「この件については、なんらかのアクションが上から来るまで、迂闊に『機関』を使うのは控えた方がいいという事ですか……」 最後に、その他勢力の可能性…… 僕達の『機関』に敵対している勢力はありますが、ここまで派手な動きをしてきたのならば、前もって僕に注意の呼びかけがあるはず。 だが、その件に関しては、連絡はなかった…… この場合に僕が考えられるのは、『機関』の連絡線が途絶えたか…… 後は、考えたくも無いですが、僕より上位の存在が敵対勢力と共謀したか…… 「果たしてどれが原因か……」 一体どこの誰が、こんなことを考えたのか、今はわかりませんが…… 心のそこから後悔していただく、覚悟をしていて頂きましょう。 とりあえずは、通常の生活を保ちつつ、長門有希とのコンタクトをするところから始めるとしましょうか。 翌日、予想していたとは言え、やはり妙に違和感というか、そういったものは感じますね。 あのことがあって、世界が創造し直されるかと思えば、そうはならず、今だ世界は動き続けている。 喜ばしいことではあるのですが、やはり、何かモノ足りないような雰囲気があります。 「とりあえず、長門さんと相談するのは……昼休みが妥当でしょうかね」 彼が言うには、長門有希は授業に出ているのか疑問になるくらい、文芸部室の方にいるそうですし。 その時間なら、おそらく涼宮さんはいないでしょう。 彼女のことですから、彼に事の次第を問いただそうとでもしているかもしれませんね。 彼の意識の度合いにも寄りますが、彼は逃げるでしょうね。 「しかし、僕の『機関』幹部数名か、敵対『機関』が怪しい、か……」 敵対『機関』の線も考えつつ、自分の所属する『機関』についても探ってみましたが。 この頃、怪しい動きをしている人を見なかったか、と『機関』の中でも、見向きされにくい裏方の存在に聞いてみたところ、幹部の中の数名がいろいろと不祥事みたいなものを小さく起こしていることが判明しました。 当初は、気のいい人と言われていた人たちが、この頃なんと言えばいいのでしょうか…… 選民思考とでも例えましょうか? そういった言動を多く取るようになってきたということです。 「行動は、隠密に……そして、迅速に、ですね」 敵対『機関』の方はわかりませんが、僕の『機関』の目は、そこら中と言っていいほど、広く存在しています。 今の所、僕に対して監視という監視はつけられていないようですが、今後、彼の対応次第で僕にも少なからず監視がつく可能性もありますか…… 早いところ、長門有希のとの連携を取っておかないと。 「やれやれ、忙しくなりそうですね」 あぁ、俺にしてはすごい短い……orz とりあえず、タイトルをつけるのをサボってたので、ぜんぜん思いつきません。 思いついたのを適当に埋め込んでるだけだったりします。 さて、大抵の人はもしかしたら結末に予想がついてるんじゃないかと? はい、単純な筆者でごめんなさい…… でもまぁ、どうにか裏をかけるように頑張りますから! と、いうわけで、次回につづく。 From 時雨 2007/06/25 |