舞 「ぐしゅぐしゅ…祐一…生きてた…」 北川「……悪いな…足ひぱっちまって…」 香里「ごめんなさい…私たちが自分の力を過信したばかりに…」 泣き顔の舞、沈み気味の顔をした北川と香里、そして… 秋子「祐一さん、無理をしないでください…」 少し怒った顔をした秋子だった。 ![]() 祐一「あ、おはようございます。秋子さん。」 香里「……おはようじゃ……」 一同「ない(だろ!、です!、わよ!、…)」 開口一番、俺はみんなに怒鳴られた。 祐一「……ん?みんななに怒ってるんだ?」 秋子「祐一さん…自覚がないんですか?」 祐一「自覚も何もさっぱりです?」 香里「重傷ね…無理している自覚がないなんて…」 無理しているつもりはないんだが… まぁ、多少力を解放しすぎたかな〜なんて思ってるけど… 祐一「無理をしているつもりはないぞ?ただちょっと暴走しすぎただけだぞ。」 秋子「それを無理と言うんです!」 北川「お前、少しは自覚しろよ…」 祐一は頭をフルに使って考えた。 自覚ねぇ…要するに北川達が言うには、俺が無理しているってことなのか? やっぱりいまいちわからんぞ… 祐一「やっぱりいまいちわからんのだが…」 秋子「では、祐一さん。あなたは戦闘で、自分だけなら傷ついても構わないと思っていませんか?」 祐一「それは…みんなが助かるのに、傷つくのが俺の身だけで済むならいいじゃありませんか…」 パシーンッ! 突然、俺の頬に衝撃が走った。 何事かと思って見ると、秋子さんが険しい顔つきで立っていた。 今の衝撃は、秋子さんに叩かれたモノらしい… 祐一「あ、秋子さん?」 秋子「……すいません…ですが、そんなことはもう二度と言わないでください…」 祐一「…………」 香里「そうよ…友達が傷ついて平気な人はいないわ…」 北川「……つぎ、次お前が勝手に戦闘に走ったら、手加減無しでぶん殴るからな…」 舞 「………無理しないで…」 ………まいったな。 みんなに下手な心配をかけちゃったみたいだ… とりあえず俺が目覚め、健康状態も問題なしと言うことで、俺達は水瀬家に戻ることにした。 先日の祐一達の活躍は瞬く間に街中に広まった。 中には脚色され、祐一達が大量の異形と戦闘し勝利を収めたなどの嘘の噂が流れもしたが… しかし、相沢家、久瀬家には持ち前の情報網によって正確な情報が伝わっていた。 そして、相沢家は興味深い反応を見せていた。 ??「どうやら祐一がこの街に戻って来たようね…」 ??「あぁ、あんの糸の切れた凧のような万年放蕩息子がな…」 ??「まったく世話が焼けるわ…戦いが終わったあと気絶したんですって…ふぅ、誰に似たんだか…」 ??「………お前か?」 ??「あんたよ!」 祐一の本家、相沢家の当主達であった。 ??「……あいつは俺に似てると言いたいのか?夏美…」 夏美「えぇ…若い頃の健二にそっくりね…」 健二「ふ〜ん…ま、いいか。とりあえず放蕩息子の面でも久々に見てくるか?」 夏美「…それもそうね。行ってみましょうか。」 相沢家の当主達…もとい、祐一の両親である健二、夏美の2人は息子、祐一に会うために水瀬家に向かった。 そして、とうの水瀬家では… 名雪「祐一!大丈夫!?怪我とかしてない!?」 真琴「ゆういちー!あなたは私が倒すんだから!!それまで死んじゃダメよ!」 佐祐理「はぇ〜、祐一さん。大丈夫なんですか?」 美汐「こんなにも皆さんを心配させるなんて人として不出来でしょう…相沢さん…」 再び祐一は美汐達による説教を受けていた。 祐一はもはや苦笑いすることしかできなかった。 祐一「悪かったって言ってるだろ〜…そろそろ勘弁してくれ、天野…」 美汐「いいえ、まだ足りないくらいです。相沢さんは言いすぎるくらいが丁度良いのですから…」 祐一「厳しいな…」 美汐の説教がまだまだ続くかと思ったが、救いの主は現れた。 コンコン ??「えっと、失礼します〜。」 祐一「え〜っと?君は?」 祐一の部屋に入ってきたのは香里と同じダークブラウンで、ショートの髪型をした少女だった。 香里「あら、そういえば。相沢君は会ったことがなかったわね。栞、自己紹介しなさい。」 栞 「はい、お姉ちゃん。始めまして、私は美坂栞といいます。よろしくお願いします。」 お姉ちゃん?……確かにいまそう言ったよな… ってことは、ここにいる香里と栞は姉妹ってことだよな… 祐一「まぁ、何はともあれよろしくな。え〜っと、栞で良いかな?俺のことは好きに呼んでくれて良いぞ。」 栞 「はい、じゃあ私も祐一さんって呼ばせて貰いますね。」 ……ところでなんで香里の妹が俺の部屋に入ってきたんだ?」 香里「栞はこう見えても薬草学に長けているの。私たちの治療や相沢君の看病もしていてくれたのよ。」 北川「そういうことだ、栞ちゃんの薬は良く効くんだぜ。」 舞 「…祐一の疲労回復にも効果があった。」 祐一「……ちょっとまて、舞。俺の症状は疲労が原因だったのか?」 ルシファーの力を解放しすぎたときの後遺症…いろいろ種類があるのか? 前に解放しすぎたときは髪と目の色が変わったままになったしなぁ… 栞 「正確には極限までに精神力を消耗した為による心因性の過労だと思います。」 祐一「よくそこまでわかるんだな…」 香里「栞は昔は病弱だったの、だから人の怪我や病気を治したりする事が得意みたいなの。」 祐一「へぇ〜、凄いんだな、栞は。」 気が付くとなんとなく手が出て、栞の頭を撫でていた。 栞 「えぅ〜…」 祐一「あ、悪い。」 栞 「あ……いえ、いいんです。」 まずい…ついつい撫でてしまった…きっと妹ってこんな感じなのが普通なんだよな… “あいつ”とは大違いだ… ところでなんで撫でるのを止めたとき残念そうな顔をしたんだ?わからん… 舞 「………(羨ましい…)」 名雪「………(う〜、栞ちゃんずるいんだお〜)」 真琴「………(あぅ〜)」 美汐「………(…そんな酷なことないでしょう)」 しかし、なんで周りの奴等が俺を睨むような目で見てるんだ? 俺、何かしたかな? …………あ〜…部屋の中に懐かしい気配が2つ入り込んでるな。 夏美「ホント健二に似て鈍感ね…祐一は」 健二「失礼な、俺はここまで鈍感じゃないぞ。」 ……あいかわらずよくわからない移動法を使うな… これのやり方はいまだわかんないし… 香里「きゃあ!」 北川「うわぁ!?」 舞 「……!?」 栞 「きゃあ!?」 名雪「わ、びっくり。」 真琴「あぅ〜!?」 美汐「きゃぁ!?」 佐祐理「はぇ?」 秋子「姉さん、お義兄さん。お久しぶりです。」 全員、ただし秋子さん以外が驚いていた。 秋子さんはいつの間に気づいていたんだろう…? (知りたいですか?祐一さん。) いえ、遠慮しておきます。 祐一「親父、母さん。いつ来た?それよりどうやって入ってきたんだ?」 夏美「……企業秘密よ。」 健二「細かいことを気にしてたら大物にはなれんぞ、祐一。」 祐一「ところで“あいつ”はどうした?いつもならついてきそうだが…」 夏美「あぁ、あの子なら寝てるわよ。」 健二「いつも通り昼寝の時間だな。」 みんな(秋子さん以外)が固まっている中、俺達家族は気にすることもなくいつも通りの会話をしていた。 香里「和んでいるところ悪いんだけど…」 美汐「そちらのお二人を紹介してはいただけないでしょうか?」 相変わらずこういう会話になると立ち直るのが早いな… 祐一「別に良いぞ。こっちのでかいのが俺の親父、その隣が母さん。」 あっさりと正確な事をを伝えたつもりだ。 だけど、みんな何かわかりずらかったような顔をしている。 祐一「ん?何かみんな納得してなさそうだけど?」 北川「……健二…夏美……あぁ!?もしかして、この2人は相沢家の当主じゃないのか!?」 祐一「その通りだぞ。それがどうかしたか?」 香里「って言うことは相沢君はあの家の跡取りなの? 名雪「…それってすごいことなの?」 真琴「あぅ?」 ……たしかに、跡取りといえば跡取りだけど、全く継ぐ気はないし… でも、そのことを名雪達に説明するのはとてつもなく疲れるし、なによりめんどくさい… こうなったら……最後の手段を…… 祐一「香里、天野、北川!名雪達に説明するのは任せた!?」 一同『え゛?』 三十六計逃げるが勝ちだ〜! 俺は猛ダッシュで部屋から脱出した。 祐一「……ふぅ、ここまで来ればいいだろ。」 まぁ、2人ほど振りきれなかったがちょっとした話しもあるだろうし、良しとしよう。 祐一「さっさと出てこいよ、親父、母さん。」 夏美「あら、ばれてた?しっかし随分と逃げ足が早くなったわね…」 健二「あぁ、さすがの俺もびっくりしたぞ。」 しっかし…あの1瞬でどうやって俺についてきたんだろう? 全員のスキをついたはずだからそんな余裕はないと思うんだけど… 祐一「ま、それはとりあえずおいておいて、俺に話があるんだろ?」 健二「あぁ、お前のこれからについてな。」 夏美「祐一、単刀直入に聞くわ。その力を何に使う?」 祐一「……そんなのは決まってる。」 ……これは、考えるまでもない。 この力をどう使うかなんて最初から決まっていたみたいなもんだ。 祐一「俺はこの力を、俺を受け入れてくれたこの街の友達を守るため、そして、グランテューダを倒すために使う。」 健二「悪用する気はあるか?」 祐一「なんで悪用なんてしなきゃいけないんだよ…」 夏美「………合格よ。んじゃ、帰りましょうか、健二。」 健二「あぁ、そうだな。」 はい?ちょっと待て?それでいのか? 祐一「ちょっと待て、話したいことはそれだけか?」 健二「あぁ、そうだぞ。」 夏美「あなたがその力を悪用する気がないのなら私たちは何もしないわ。」 健二「ただし、悪用するときがあったとしたら。」 夏美「私たちが全力で祐一を倒すからね。んじゃね♪」 健二「今度本家にも顔を出せよ。じゃな。」 祐一「……………」 あまりの淡泊さに呆気に取られてしまった… しかし、その間に母さんはスキップしながら、親父は俺の肩を軽く叩いたあと、母さんのあとについていった。 久瀬「ご家族での話が済んだようだね、それなら僕からも一言ぐらい言わせて貰おうか?」 祐一「ん?この何となく偉そうな声は…久瀬か?」 久瀬「相変わらず君は生意気だね…祐一。」 祐一「まぁな、そっちも相変わらずみたいだしな。」 俺に声をかけてきたのは相沢家と同じ、異形と契約を代々結んできている久瀬家の跡取りの久瀬隆だ。 祐一「んで?何を言うつもりだ?」 久瀬「別にそんな大事を言うわけじゃない。ただ、もう少し暴れるのなら静かにやってくれ。」 祐一「…は?どういうことだ?」 久瀬「…君たちが戦闘を行った公園、その近隣の家の記憶操作を行ったんだよ。」 祐一「…あ、すっかり周りの家のことが抜けてた……悪いな。」 久瀬「まぁ、僕の家は情報操作や記憶の隠蔽、そっちが専門だからね。それに当然のことをしたまでだよ。」 俺の実家、相沢家と久瀬の家は共に闇を行く家系だ、だからお互いがお互いのために協力を惜しまない。 共闘することになったとしたら、前衛を相沢家が、後方支援を久瀬家が行うようになっている。 今回も、影ながら後処理をしていてくれたみたいだ。 祐一「……ホントにありがとうな…」 久瀬「そう思うのなら、これからはもう少し静かにやってくれよ。」 そう言って久瀬は帰っていった。 そして、少し周辺をぶらついてから俺は水瀬家に戻った。 そこで、説明を香里達に任せたことについて、本人達から1日中、説教と文句を言われたのはまた別の話だ。 翌日、いつもの平穏な生活が戻ってきた。 その平穏な朝はやはりこれから始まる… “あさ〜、あさだよ〜、朝ご飯食べて学園に行くよ〜” 祐一「こんなんでよく起きれるよな…俺…」 用語解説 1・相沢 夏美(あいざわなつみ) 祐一の母親で相当な実力者。 相沢家で彼女に逆らうのは自殺に等しい…いや、そんななまぬるいモノではないだろう。 夫である健二よりも実力は上である、家系通りに異形と契約しているようだが何と契約したかは不明。 結構ノリは軽い。しかし家では良妻賢母である。謎邪夢はさすがに食せないが… 2・相沢 健二(あいざわけんじ) 祐一の父親、かなりの天然かも知れない。 戦闘になると性格が180度変わるタイプ。普段は縁側でお茶を啜っている。 何年も前にスノウシティーに100匹近くの異形が迫ってきたが夏美と2人だけで滅殺した。 主にぐーたら親父である。夏美にどつかれることが多い。 時雨 「改訂版『KANON〜紅眼の魔剣士〜』の第9話完成しました!」 秋子 「あらあら、お疲れさまでした。」 時雨 「どうも、今回もゲストの秋子さん。労いの言葉ありがとうです。」 秋子 「改訂する事に出てくる人たちの比率が変わってきてませんか?」 時雨 「あ〜…それはそうかも…(汗」 秋子 「そろそろ出てきていないあゆちゃんも出してあげませんとねw」 時雨 「あ、あはは〜(・∀・;)……それもそうですね(滝汗」 秋子 「次回にみなさんの出番はあるんでしょうか?(ニッコリ」 時雨 「……き、『企業秘密』です!!」 秋子 「そうですか…では、やはり今回もこれで許してあげましょう。(机にオレンジ色の入った瓶を置く)」 時雨 「ま、またこれ(オレンジ色の悪夢…!?)ですか…あの、食べなきゃダメなんですよね…?(怯」 秋子 「別に食べなくても構いませんよw(とびきりのスマイル)」 時雨 「(目が笑ってませんよ…秋子さん…)…い、いえ!、ぜひ食べさせていただきます!!(バクバク)」 時雨 「ぐああああぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!!!!!!!!(猛スピードでどこかに走り去る。)」 秋子 「あらあら、どこかに行ってしまいました♪」 秋子 「さて、今回も時間が来てしまいました。と、言うわけで、まとめますねw」 秋子 「(カンペを取り出す)今回も読んでいただきありがとうございました。」 秋子 「これからもこのSSをどうかよろしくお願いします♪」 秋子 「抽選で1名様に私の手作りジャムの詰め合わせを送ろうかと♪おいしいですよ♥」 秋子 「では、次回もよろしくお願いします(ペコリ 」 どだだだだだだだだだだだだだだ!!!!!!! 時雨 「ぜぇぜぇ……じゃ、邪夢は“ぜったい”お、送りませんし、送られせません……(バタッ 」 秋子 「あらあら♪」 |