「んじゃ、もう1つ。俺の友人に手を出したらじじぃでも殺す。」 「はいはい、確かに承ったよー」 それじゃ、行きますか。 当初の予定とは違うけど、これはこれで楽しそうだ。 ![]() 「それで、闘技場についたわけだが…」 「誰に言ってんだ?」 「お約束だ、気にするな。」 北川の突っ込みは軽く流して現状確認。 まず本家に着いたときに門番のおっちゃんをちょっとビビらせて… そしたら千尋が出て来てじじぃ共の方は担当してくれて。 そんで北川と出来る限りの力で戦えるように闘技場に来た。」 「まぁ、ここまでは正常だよな。」 「あぁ、それは俺も後ろからついてきたからわかるが…」 久々に言葉が出てきていたらしい。 まぁ、確認になったから気にしない。 「なら、なんでこんなに闘技場がボロボロなんだ?」 「さぁ…?他人の家の事なんてわかるわけないだろ。」 まぁ、ごもっともで。 しかたない、少し調べるか… って、調べるまでもなかったか… 「原因がわかった…うちの親父だ…」 「……凄まじい親父さんだな…」 「…俺もそう思うよ…スキンシップとかぬかして攻撃しかけようとしてくる親父だからな。」 昔は低級異形しか契約してなかったしな、死ぬかと思ったぞ。 今も喰らったら結構な威力なんだよなぁ…伊達に相沢の当主やってるわけじゃないのか… 「んで、相沢。これどうすんだよ、このままじゃ戦いにくいぞ。」 「ん〜、あぁ…少し待ってれば分かるよ。多分ソロソロ始まるからさ。」 本家はなにもかもが常識で通じないからなぁ… なんかしらないけど、勝手に抉れた場所とかも修復されるし… 「おいおいおいおい!?なんで勝手に地面とかが直ってくんだよ!!」 どうやら始まったらしい。 抉れていた地面とか、ボロボロの壁も巻き戻し映像を見てるように元の状態に変化している。 うーん、知っててもこの現象って謎なんだよなぁ… 気づけば、北川が静かになっていたから周りを見回してみると壁の方に座り込んでいた。 「………」 「ん?なにやってんだ北川。そんな地面に座り込んで…」 「……相沢…お前の家ってホントになんなんだ…?」 「俺の家か…裏の家業を行っているくらいだな、他は聞かない方がいい。」 うん、暗殺とか情報操作とかいろいろあくどい事ばっかりやってるしな。 たまに拷問とかもしてるらしいし… 「ふーん…この部屋… 「んー、なんかそんな物質とか聞いた覚えがあるようなないような…?」 「世間に出回ってるハズはないんだけどな…うちの一族でも造れるやつがいるかどうか…」 「へぇ…そんなに特殊な物なのか。」 俺が家出する前から当然の如く設置されてたからな。 まぁ…考えた通りに形が動くから楽しかったけどな。 「これはな、別名 「へぇ…考え、想像に反応ねぇ…(じゃぁ机と椅子とか考えたら出来るのか?)」 そう頭の片隅で考えていたら俺の足下から、学園と同じくらいの大きさの机と椅子が表れた。 「へー…これ楽しいなぁ♪」 「いや…遊ぶなよ、相沢。そもそも自分の家の所有物だろ…」 「ん、あぁ悪い悪い。面白そうな物を見ると試してみたくなるもんだ。あと、訂正しておくが、確かにここは俺の実家らしいが、俺の扱いは異端者だからな。なんだかんだで来るには問題が起きるらしいぞ。」 「面白そうな…って所に至っては否定しないけどな…っていうかお前ホントに家からは見放されてるんだな…余計なこと聞いた…スマン。」 「ま、気にするな。もう7年近くこんな調子だから慣れた。」 なんだかんだで、知り合いの姿イメージしたりしながら暫く遊んでしまった。 ん…? あ、いかんいかん、目的がすり替わっているじゃなぃか。 「うし、存分に遊んだし……そろそろやるか?」 「……おぅ、頼むぜ、相沢。」 「おぅ、任せろ少年。」 「………」 「………」 「………む?」 あれ…? いまなんかあんまり会いたくない奴の声が聞こえたような気がするんだが… とりあえず。 「………おい、何故いる。親父よ。」 「ほぉ、愚息よ。親が子に会ってはいけないと?」 「それは前にも同じ事を言っていただろうが…とりあえず北川を羽交い締めにして真ん中まで連れ出して無理矢理戦おうとするのはよせ。」 どっから沸いて出たのかはしらんが、唐突に現れた親父は、やる気満々の北川を唐突に後ろから羽交い締めして闘技場の真ん中に引きずっていこうとしていた。 唐突に現れた方法は大方魔法の転送系のヤツだろうが…理由がわからん。 「はっはっは、そいつは心外だな。心優しい俺がそんなことをすると思っているのか?」 そう爽やかそうに良いながらも、北川を解放しないあたり胡散臭いぞ… っていうか、そうこうしているうちになんかもう真ん中まで到着させられてるし。 「……結局、俺はどうすればいいんだ…相沢?」 「まぁ…頑張れ」 「俺と戦ってみようじゃないか!」 分かる人には分かると思うが、一応最初の発言が俺で、後が親父だ。 なんでこの親父こんなにやる気満々なんだ…? 「いやぁ、この素材物質を見抜いたヤツがいるなんて興味深いっ!創った甲斐があるってもんだっ!」 「………ん? ……って、ちょっと待てや親父!今なんつった!?」 「……俺の耳が間違いじゃなければ、お前の親父さんが創ったとか聞こえたが…」 うむ、俺もそう聞こえた気がするが。 俺ですら解明できないこのある種の未知の物質を創ったのが実父… あー、なんかすげー納得できてイヤになってきた… なんたって現世に生きる奇人変人だもんなぁ… 「昔な、いかに部屋を広く使うかというコンセプトのもと考えていたら閃いたわけだ。」 俺等の反応をさらりとシカトしてくれながらも、嬉々として解説しているようだ。 本当に人の話聞いてないんか… 「物を置かなければ広く使える、ならば壁から物が出てくればいい!ってな。」 「まぁ、その微妙な屁理屈のような理屈はある意味納得できるような…」 「いや、だからって相当な知識がないと素材となる物自体創れないハズだぞ…?」 「あぁ、なんか適当に混ぜてたらできた。あとはなんか勝手に増えた。」 「俺の一族総出でも創れなかったのに…」なんてぼやいてる北川はおいといて。 この素材物質って増殖するんか…これが原因で本家潰れるんじゃねぇの…? まぁいいか…とりあえず当初の目的は果たさないといけないよな。 「親父、北川と戦るのは構わないが、先約優先だ。俺と北川が戦ってからにしろよ。あぁ、それと、あとで話がある、逃げるなよ?」 「ふむ…男同士の約束…いいねぇ、友情だねぇ、若いねぇ。よし、ならばここは譲ってやろう。そして逃げるとはなんだ、ここは俺の家だぞ。どこに逃げると言うんだ」 何か言ってるが気にしない。 だって家の中にいるからって捕まえられるとは限らないからな、この親父。 「はいはい、ありがとさん。おし、北川。準備するものあるなら今のウチにしとけよ?」 「一族の中でも一応俺は最高レベルの錬金術師なんだけどなぁ… って、あ、あぁ…わかった。」 まだなんかブツクサ言ってたらしい、女々しいヤツめ。 そんな事だからいつまで経っても香里の態度が煮え切らないんじゃないか? 「なんか今スゴイ当てを得ていながらも失礼極まりない事を考えてなかったか?」 「…そんなことは無いゾ?」 何故分かったんだろう? やっぱり上にあるアンテナで思考を受信しているんだろうか…? 「やっぱり失礼なこと考えてるだろ…?」 「……まぁ、それはおいといて。………始めるぞ?」 スゥ… 「……ッ!」 あのまま堂々巡りを繰り返してもいいんだが、それだと話が進まないからな。 身体の意識を切り替える… 無意識の内に殺気が身体から漏れて行くのが分かる。 それと同時に北川が息をのむようにして戦闘態勢に入った。 「さて、とりあえず。まずは俺は武器を使わない、まっすぐ向かって殴るから止めて見せな。」 「……予告とは随分と余裕だな…」 「まぁ…ね。この程度本気からはほど遠いしな。最初は加減するが、あとからあんまり加減してやらねーぞ?」 「……上等っ、来い!相沢っ!!」 グッ……ドンッ! 軽く前に重心を倒しながら、全身のバネを使って一気に踏み込む。 コレは身体を鍛えれば鍛える程瞬間的な爆発力が増加する。 そして推進力を乗せたまま、北川の顔面目掛けて拳打を放つ! 「ハァッ!」 「クッ…予想より速いっ!だが、このくらいならっ!」 バキッ! 「ふーん…このくらいは受け止められるか…って!北川…お前その目…」 「流石に…通常のまんまじゃあの速度、俺にはキツイっつの…」 俺の拳打は北川の顔面すれすれの所で抑えられていた。 辛うじて抑えたようにも見えるが、手の間から除く北川の目に少なからず驚愕を覚えた。 普段の温厚な雰囲気を漂わせていた北川の目が、今は豹などの猫科の獣を思わせるような黒目が縦に割れている目をしていた。 それだけじゃない、姿自体がドンドン狼のような状態になっていく。 この形態は確か…… 「…… 「あぁ、その通り…俺の一族の血には大昔、人狼の血が混ざった…そんで、俺はいわゆる混血ってヤツだな。」 「……ふむ、よく今まで相沢の者に襲われなかったな?」 「まぁ、極端に血が薄いからな。こうして全解放しない限りは察知されないさ。」 こうして会話しているウチに北川の変化が終わったらしい。 狼男を想像して貰えば分かると思う、それの金色バージョンだ。 「……少しは面白くなってきたかな…?」 「変化完了…んでもって、これだ。」 そう言って北川は前に変化させてみせた鉄球を取り出した。 「それをどうするんだ? やっぱり投げるのか?」 「誰が投げるかっ! これはな…こうするんだっ!」 パァン! 北川が両手で思いっ切り鉄球を叩いた。叩く瞬間には、前にみた魔法陣みたいなのが鉄球を囲むように発生していた。 「存在を解析、分解、再構築っ! 発動っ!」 「出ろ!ソウルブレイカー!!」(※3) ドオーン!! そう叫ぶと、光が弾けた。 その光が収まったとき、その場にいたのは… 「待たせたな、さぁ、相沢…始めよう」 動くのに支障はなく、かといって防御が低いと言い切れない軽鎧に身を包み、その拳には手甲を思わせるようなナックルをつけ、うっすらと燐光を発している北川だった。 なるほど、普段遠距離で使ってるのはその形態じゃ無い時の為の攻撃手段か… 確かに北川は接近戦に向いてないしな…だが、今の状態は違う…バリバリの近距離って感じがビリビリ感じる… 「………ふふ…楽しくなってきたな! いくぜぇっ北川ッ!」 「おおおおおぉぉぉぉ!!」 ドカッ バキッ ガスッ 見る限り、格好の付く戦いでもなんでもなかった。 自分の持ちうる限りのスピードを出し、俺に迫り、全力の拳を撃ち込んでくる北川。 対する俺は、翼の出ていない状態での最高の力とスピードでそれに返した。 実際、今のコイツの実力は舞に匹敵…いや、それよりも上かもしれない。 「おもしれぇ…おもしれぇっ!!喰らえ! 「負けるかあああぁぁぁぁ!!! ガガガガガッ!! 連撃数は互角!威力もどっこいどっこい! やるなぁ、北川! 今の俺の状態は結構ハンデがあるってのに、それでもそれに付いてくるんだからな! ガキっ! 拳と拳がぶつかり合った所で力が拮抗したのか、俺達の動きも同時に止まった。 「やるじゃねぇかっ」 「くそっ…ハァハァ……良く言うぜ。俺は割と一杯一杯だっつの!」 「はは、これも良い経験だろ。だから…俺からのサービスだ、少しだけ俺の力を見せてやるよ」 「…ハァハァ………っ上等!来い相沢!!この俺の最強の一撃を持って受けてやる!!」 その心構え、上等! ならばその眼に見せてやろう、空海流無手法奥義の威力! 「空海流無手法奥義……乱れ咲け!桜花の舞!!」(※6) 「我流奥義! ドドドドドッ!ドスッ!! 「………くそったれ…やっぱ及ばねぇか…」 「いや…一発だけ…防ぎ切れなかったわ。」 結果だけ言えば、俺の勝ちだ。 舞い散る桜の花の如く、撃ち手の実力の分だけ一瞬で打撃が打ち込める神速の拳打、桜花の舞。 今の俺だったら精々30発が限度だが、北川はその内半分までを防いで見せた。 さらには、俺のフィニッシュブローの瞬間に俺の打撃を受けつつも渾身の一撃とも言えるクロスカウンターを放ってきた。 さすがに俺も奥義を撃ち終わったすぐ後だった為に、完全にいなしきれず軽くかすってしまった。 まだまだ、俺も修練が足りないな。 「ま、とりあえず、一旦そのまま堕ちろ。起きてくる頃にゃ体調も戻るだろ。」 「あぁ、そうさせて貰うわ…さすがに久々に解放しての戦闘は…こたえ…る…わ…」 バタッ! 倒れ込んだ北川をそのまま見届けた後、ある程度高ぶったままの状態で、扉に目を向けた。 そこにいたのは、完全武装を調えた、相沢家の殺害部隊と封印部隊だった。 「さて、そこにいる連中。一体なんの用だ?」 用語解説 1・素材物質、意志感応型金属(ユニバーサルマテリアル、いしかんのうがたきんぞく) 祐一の父親、相沢健二により生み出され、相沢本家の一室を構成する特殊な物質。 その部屋に入った者の考えや想像に影響を受け、その形状を変化させる。 その時、質量が増加するわけでも減少するわけでもない何かと矛盾を生み出しつつ、形状変化する。 北川も作ろうとしたが、それに辿り着く為の素材すら創り出せなかったようだ。 2:人狼(ウェアウルフ) すでに絶滅したとされる古代種。 昔、人狼の牙は異形の武器として流用できることが分かり、金儲けに目がくらんだギルドの者に乱獲された。 元来、異形にしては異端である温厚な性格。群を成して生活していた。 中には、人語を理解し、人に化けて生活していた者もいたようだ。 3:ソウルブレイカー 北川の武器の本来の使い方。 鉄の塊に見えるのは、実は硬度が非常に高く、しかし軽い物質。名前は無い。 北川が人狼状態になったとき、遠距離武器としてではなく、近距離戦闘用装備として変化させて使用する。 スピード戦闘になるので、その動きを妨げないような鎧と、手を包む手甲になる。 4:空海流無手法 霞連弾(くうかいりゅうむてほう かすみれんだん) 空海が編み出した無手状態で使える技。 簡単に言うなれば高速で撃ち込む5連撃。ただし、速度は常人の目に捕らえられる事はない。 また防御しようとしてもできず、防御を抜けて打撃がくるような錯覚を覚える。 昔、空海はこれで上級の異形を殴り倒したとか…? 5:狼牙連撃(ろうがれんげき) 北川の拳打の技 打撃数は祐一と同じ5連撃、だがまだ精度が甘い。力でゴリ押ししつつなんとか使える技。 祐一の霞連弾はある意味手加減された状態と同じだったために同等の威力に近かった。 精度を上げれば、祐一の霞連弾以上の威力はなんとか発揮できるだろう。 6:空海流無手法奥義 桜花の舞(くうかいりゅうむてほうおうぎ おうかのまい) 空海が編み出した無手の奥義。 使用者の実力に寄って、打撃数が変わるらしい。とは空海の弁。 しかし、使用できる者が空海と祐一しか確認されているためにその真偽は不明。 だが、祐一と空海では打撃数が違うらしい、一応理には適っているのか? 7:風狼牙連閃(ふうろうがれんせん) 北川の奥義の一つ。 大体15〜20連撃する事ができる高速の打撃技。 奥義だけあって精度、威力共に狼牙閃撃より高い、これは修練の歩合の賜だろう。 一撃必殺、この技を放てば大抵の人は倒せると言うくらい自信を持っていたらしい。 されど上には上がいる。そう感じたため、さらに精度、威力を上げる特訓をすることになる。 時雨 「すげぇ久々の更新な紅眼の〜第19話です。」 栞 「本当に時間かかりましたね…」 時雨 「あ、あははは(汗 いろいろ忙しかったりネトゲにハマったりしすぎまして(滝汗」 栞 「えぅー、本業を疎かにするとは愚かですよ。」 時雨 「あぁ、言葉が痛い…w」 栞 「大体、真琴さんと美汐さんが前回や、今回あたりで出るはずじゃなかったんですか?。」 時雨 「……や、まぁ、それはそうなんだけどやっぱ作者がヘタレだと話が進まないというか… 」 栞 「ヘタレの極みですね(極上の笑顔」 時雨 「うぁん、そんな素敵な笑顔で言わなくても…(汗」 栞 「そんなことどうでもいいですから、速く続き書いてください。」 時雨 「ん、今一応20話をガリガリと書いてるよ。」 栞 「速く更新してくれないと、外でバニラアイスを一緒に食べるの刑ですからね?」 時雨 「げ、このクソ寒い時期に外でアイス食えと…?。」 栞 「はぃ♪」 時雨 「ぐ…さすがにマイナス越えてる気温でそんなことしたら身体壊すって…(汗」 栞 「じゃ、頑張るしかありませんね〜。」 時雨 「むぅ…人生は…時に厳しい…(遠い目」 栞 「はぃはぃ、黄昏てないで続き書きましょうねぇ〜」 ズルズルと奥に連行されていく。 栞 「あ、そうそう。これからもこの拙い作者のSSですが、紅眼の魔剣士をどうぞヨロシクお願いします。」 時雨 「俺の無事も祈ってくれえええぇぇぇぇぇ!!」 栞 「いいからさっさと書いてください!」 栞 「生命の泉たる水の力、今、刃になりて敵を討て。『アクアスライサー!』」 時雨 「いや、まてまて!それもまた洒落にならんて!!」 栞 「問答無用!お姉ちゃんに教わったのは時雨さんはサーチアンドデストロイですよっ。」 時雨 「なんでじゃ! うぎゃー!!」 |