時の庭園から脱出した俺たちは、まず救護室へと足を運んでいた。 なのはやユーノ、それにクロノ執務官が少なくない怪我を負っていたからだ。 「僕としては、どうして君が怪我を負ってないのかが気になるんだが……」 「ふん、腕が違うのだよ」 エイミィからの治療を受けているクロノ執務官のジト目を受けつつ、俺は魔法陣を展開した。 二次創作 魔法少女リリカルなのは 『また、会う日まで』 何故か手厚い看護を受けているクロノ執務官を放っておいて…… なのはやユーノの治療を終わらした後、なのはが聞いてきた。 「そういえば、フェイトちゃんたちは?」 「2人は護送室だよ、今回の事件の重要参考人だからね……暫く隔離になる」 「そんな……」 確かに、プレシアをはじめ全員がこの事件の発端になったと言っていい。 そうなると、護送室に運ばれるのも仕方が無いといえばそこまでだ。 「今回の事件は、次元断層さえ起こしかねなかった重大な事件なんだ」 クロノ執務官は真面目な表情で言ってくるが、俺は笑いを堪えるのに必死だった。 なぜなら、エイミィがクロノ執務官の頭に巻いた包帯を、リボン結びにしていたからだ。 縦リボンを作って満足したのか、エイミィは満面の笑みを浮かべている。 「時空管理局としては、関係者の処遇に慎重にならざるを得ない。それは分かるね?」 悲しそうに顔を俯かせるなのは。 しかし……気付いてないのか平気なのか、どうしてなのはたちは平然としているんだろうか? 「どうでもいいがクロノ執務官。その頭をどうにかしてくれないか?」 「……エイミィ、やり直し」 「ちぇー」 憮然とした顔をエイミィに向けながら、クロノ執務官はやり直しを要求した。 しぶしぶと言った雰囲気を隠さず、包帯を巻きなおし始めるエイミィ。 「あぁ、後でリンディ艦長にも言うつもりだったんだが……」 ようやく笑いが収まり、俺がまともに喋れるようになった時。 俺はクロノ執務官に向かって思い出したかのように告げた。 「件のプレシアなんだが、反社会性人格障害が見られた。診断書は後で作っておくから、それを考慮してくれると助かる」 行動に衝動性が強く、攻撃性であり、人を傷つけたとしても良心の呵責を感じない。 自身や他人の安全性を考えていない所からも、十分に人格障害をきたしていたように見えた。 「診断書って……まるで医者だな、君は」 なんだ、クロノ執務官はまだ俺についてそこまで調べていなかったのか? まったく、そんな調子じゃいつまでたっても俺に答えを突きつけるなんて不可能だぞ。 「1つだけ教えてやろう。俺は本当に医者だよ」 正確に言うとすれば、医者でもあり医療系魔導士とも言えるけどな。 驚いた表情を見せるクロノ執務官をそれ以上構う事なく、俺は笑いながら医務室を出た。 さてと、とりあえずは……飯かな。 それから数日、次元震の余波が収まるまで俺たちはアースラで過ごす事になった。 対プレシア戦で傷ついた武装局員を、俺やユーノ、クロノ執務官が治療したり。 「なんで、俺がこんなに大人数を見なきゃいかんのだ」 「医者なんだろう、君は? それに、僕たちがやるよりよっぽど効率がいいからね」 なのはとユーノが事件解決の功労者として表彰されたり。 「あれ、ラルさんは……?」 「俺はパス、そういうのは好きじゃないし、そもそもアドバイザーとして管理局にいたからな」 フェイトたちがいる護送室に、勝手にこっそり顔を出したり。 プレシアは、まだ精神が安定していないので別室で眠らせてある。 「よう、調子はどうだ?」 「大丈夫」 「居心地が良い訳じゃないけど、まぁ平気かね」 さすがに手ぶらというのもなんなので、とりあえず食堂で頼んだ栄養価の高い食べ物を差し入れする。 アルフにはやっぱりドックフードの方がいいようなので、売店らしきもので買ってきた。 「プレシアについては、俺が人格障害の診断書を作るからそれで多少情状酌量の余地が出るだろ」 2人が食事をしている時に、プレシアの処遇について簡単に話しておく。 「後は管理局のお偉いさんがどう言うかなんだが……まぁ、そこはなんとかしてやるさ」 恐らく、クロノ執務官が影ながら努力するだろうが、手は多い方がいい。 なんなら、管理局に対する俺の手札を数枚切ってもいいしな。 「今は身体を休めて、しっかりと休養を取るんだぞ」 そう言いながら、フェイトたちの頭を撫でて、俺は護送室を後にした。 廊下を歩いている途中、目の前になのはたちを見かけた。 どうやら、何か話しているみたいだけど…… 「クロノ君ってもしかしてすごく優しい?」 「なっ!?」 どういう話があってそういう結論に出たのかはわからないが、なのはの言葉にクロノ執務官は顔を真っ赤にしていた。 ユーノは、なのはの言葉に苦笑いを浮かべている。 「し、執務官として当然の発言だ。私情は別に入っていない!」 そんなに顔を赤くして言っても説得力は欠片もないなぁ…… 「にゃはは、別に照れなくてもいいのに」 「て、照れてない!」 和やかな雰囲気を見せる3人をからかってやろうと、俺もその輪に合流した。 俺のからかいに面白いように反応するクロノ執務官がもの凄く面白かった。 「なんだよ! 笑うなよ! ラインハルト、腹を抱えてまで笑うなっ!」 さらに数日が経ち、俺たちはリンディ艦長と共に食堂へと来ていた。 なんでも、次元震に関して報告があるらしい。 「次元震の余波はもうすぐ治まるわ。ここからなのはさんの世界へなら明日には戻れると思う」 リンディ艦長の報告を聞いて、なのはが嬉しそうに喜ぶ。 だが、その後にリンディ艦長の表情が少しだけ曇った。 「ただ、ミッドチルダ方面の航路はまだ安定しないみたいなの。まだ時間がかかるみたい」 中規模とは言え、次元震が発生した影響は、少なからず航路に影響を及ぼしたらしい。 ……しまったな、こんな事ならもう少し早く沈めてやればよかった。 「そうですか……その、まぁうちの部族は遺跡を探して流浪している人ばかりですから、急いで帰る必要も無いと言えば無いのですが……でも、それまでずっとここでお世話になるわけにもいかないし」 長期間、アースラでお世話になるのが気が引けるのか、ユーノは表情を暗くして言った。 それならばと、俺の家でも提供してやろうかと思い口を開く前に、なのはが明るく言い出した。 「じゃあ、家にいればいいよ。今までどおりに!」 「なのは……いいの?」 「うん! ユーノ君さえよければ!」 なのはの申し出に、ユーノは驚きながらも嬉しそうな表情を見せる。 ふむ……なのははともかく、ユーノはアレだな。 「じゃあ……その、えと……お世話になります」 「うん!」 再び高町家にユーノがペットとして住み着くことが確定した。 ここで重要なのは、なのははユーノをペットと同列で見てるって事だよなぁ…… 哀れ、ユーノ。 「まったく、あんな時間まで寝すぎじゃないのか?」 「だって〜、ずっと徹夜続きだったんだもん」 未だ寝ぼけたようなエイミィを伴って、クロノ執務官が食堂へとやって来た。 なんていうか、仕事時とオフだとギャップが激しいな、エイミィは…… 「ラインハルト、そういえばどうして僕たちだけ役職で呼んでいるんだ?」 食事を持ってきて相席したクロノ執務官からの最初の台詞はそれだった。 どうして……と言われてもなぁ。 「リンディ艦長はこのアースラで一番偉い人だからだし、クロノ執務官は俺の事をラルと言わずにラインハルトと呼ぶから?」 ちなみに、エイミィは気付けば俺の事をラルと呼んでいた。 まぁ、本人からエイミィと呼んでくれていいと言われたからってのもあるが。 「……なら、これからはラルと呼ばせてもらうよ」 「オーケー、それなら俺もクロノと呼ぶさ」 名前で呼んでもらえないのが寂しかったのか? そんな事を考えつつも、執務官と呼ぶのが結構めんどくさかった俺は提案を受け入れた。 「あら、それだと私はどうなるのかしら?」 「そこは、諦めてもらうしかないんじゃないですかね?」 「残念ねぇ……」 リンディ艦長の提案だけは、申し訳無いが却下させて頂いた。 さすがに、艦長職を呼び捨てやさん付けはしづらい。 「なのはちゃん、ここにはいつでも遊びに来て良いんだからね」 「はい、ありがとうございます」 俺とリンディ艦長がそんな話をしている間に、エイミィがなのはに向かってそう言っていた。 それにクロノが噛み付くが、リンディ艦長の気楽な一言によって、撃沈されていた。 なんというか……上司と部下がお気楽だと苦労しそうだな。 「それじゃ、今回は本当にありがとう」 「協力に感謝する」 そして、俺たちが地球へ戻る日がやって来た。 クロノは一言だけ短く言うと、こちらに向かって手を差し出してきた。 なのはと手を握った時に、少し顔を赤くしていたのには笑いそうになったが…… 「フェイトの処遇は決まり次第連絡する。大丈夫、悪いようにはしない」 「うん、ありがとう」 「ユーノ君も帰りたくなったら言ってね。ゲートを使わせてあげる」 「はい、ありがとうございます」 リンディ艦長は、フェレット状態のユーノに向けてそう声をかける。 当分の間は、ミッドに戻る気はなさそうだよな、このイタチもどき。 「ラル君、今回は本当にありがとう」 「えぇ、まぁ……多少なりとも管理局にまともなのがいるとわかったんで安心しました」 「そう言ってもらえると助かるわ……」 「以後の管理局に、多少期待しておきますよ」 差し出された手を握り返しつつも、肩を竦めて言ってやる。 「じゃあ、そろそろいいかな?」 エイミィの問いかけに、全員が肯定を返す。 そして、俺たちの足元に魔法陣が展開された。 「またね、クロノ君、リンディさん、エイミィさん」 「クロノ、お前が俺に答えを突きつける日、楽しみに待っててやるよ」 リンディ艦長たちが手を振って、それになのはが振り返す事で答えて、俺たちは地球へと飛んだ。 アースラから帰ってきて何日か経った頃、今日も今日とて部屋に篭る俺の携帯に着信があった。 誰だと思ってディスプレイを覗いてみれば、そこには高町なのはと書かれている。 「へぇ……あぁ、分かった。それじゃあそこに行けばいいんだな?」 どうやら、フェイトたちの処遇が決まったらしく、本局へ移送となるらしい。 フェイトとアルフに至ってはほぼ無罪が確定したらしいが、プレシアの処遇がまだ確定しないらしい。 それでも、クロノが少しでも罪を軽くする為に立ち回ってくれているようだ。 そして、本局に移るその前に、時間を作ってくれたので、俺たちに会わせてくれるということらしい。 「フェイトちゃーん!!」 なのはとフェイトが戦った公園。 そこにある橋の上で、3人は俺たちの到着を待っていたらしい。 俺たちをみるフェイトに、少なからず喜色が浮かぶのが見て取れた。 「あんまり時間はないんだが、暫く話すといい。僕たちは向こうにいるから」 なのはの肩から降りたユーノは、アルフの肩へと移動する。 そして、俺たちはなのはとフェイトを残して離れようと思ったんだが…… 「なんで、ラルさんまで行っちゃうの?」 さりげなく移動しようと思ったんだが、どうやらなのはにしっかり見つかってしまったらしい。 何故か恨みがましい視線を向けてくる2人に苦笑を返しながら、俺は気にするなと手を振った。 「2人だけで話したい事、今のうちに一杯話しとけ」 それだけ言うと、少しだけ先に言ったクロノたちに合流する為に、俺は背を向けた。 特に俺が話すことってのもないし、一番頑張っていたなのはがゆっくり話すといいさ。 「なんだ、結局逃げてきたのか?」 「逃げてきたとは失礼な奴だな……」 「フェイトは、ラルとも話してたがってたんだけどねぇ……」 主人思いのアルフが、そう言って来たが、俺も一応ミッド出身なんだ。 なのはよりはフェイトたちに会う機会が無いわけじゃない。 「それに、お前たちに預けておくモノがいくつかあるからな」 ピアス・レクオスをデバイスモードに移行して、格納していたモノを取り出す。 クロノには、時の庭園脱出時にこっそり拾っておいたジュエルシード9つ。 それと、裁判で使う時に少しでも有利に出来るようにしておいたプレシアの診断書。 「これは……てっきり虚数空間に消えたと思ってたのに……」 そして、アルフには俺謹製栄養剤のセットと、買っておいたちょっと高級なドッグフード。 ついでに多少の傷薬なんかも付け加えておいた。 「わぉ、ありがと、ラル!……っと、フェイトたちが呼んでるよ?」 渡されたドッグフードを見て、尻尾を振っていたアルフの耳が動いたかと思うとそう言ってきた。 視線をなのはたちの方へと向けると、確かに俺たちに向かって手を振っているように見える。 「どうかしたか?」 多少のんびりと歩み寄る俺を見ながら、なのはは満面の笑顔を。 そして、ぎこちないながらも、笑顔を見せたフェイトの頭に、ついつい手を置いて撫でていた。 くすぐったそうにそれを受け入れるフェイトを見て、なのはも嬉しそうな雰囲気を見せている。 「いろいろ……母さんの事とか……ありがとう、ラル」 「どういたしまして、俺としてもまぁまぁの終わり方だと思うよ」 ベストとは言い切れないが、ベターな結末は引っ張ってこれたんじゃないかと思う。 アリシアという存在が、最高の結末を引っ張ってくるにはどうする事もできない壁だった。 だからこそ、俺の中でこの事件はベターな結末でしかない。 「それで、あの……その、えっと……」 「フェイトちゃん、頑張って!」 何かを言い淀むように、フェイトの視線が俺と地面を行ったり来たりしている。 なのははフェイトが何を言いたいのか分かっているのか、両手を強く握りしめて声援を送っている。 「なのはに教えて貰ったんだ、友達になるには名前を呼べば良いんだって」 「へぇ」 そう教えたであろう張本人は、俺の視線にニコニコとした笑顔を返してくれる。 「それで……ラルとも、友達に……なりたいんだ」 「あぁ、なるほど。そう言う事か」 そこまで言われて、俺はようやくなんでこの場に呼ばれたのか理解した。 つまるところフェイトは、なのはから教えて貰った方法で晴れてめでたく友達になった。 んでもって、今回の事件に少なからず関係があった俺とも友達になりたくなった。 と、まぁこんな所なんだろう。 「ダメ……かな?」 ……ええぃ、捨てられた子犬のような瞳でこっちを見るんじゃない。 別に俺は一言も否定の言葉を出しちゃいねーぞ。 「なのはに聞いたって言ってたな。友達になるには名前で呼べばいいって」 「うん」 俺の確認の言葉に頷くフェイト。 それを見て苦笑を零しながら、未だ隣で応援している奴に声をかけてやる事にした。 「俺としては、お前らは随分前から友人として考えていたんだが…… その場合どうすればいいと思うよ、なのは」 唐突に会話を振られたなのはは、髪をピョコンとあげながら驚いた声を出した。 そして、考え込むようにして、なのはなりの答えが出てくる。 「にゃっ、私!? えっと……ラルさんがもう友達だと思ってるんだったら、 あとはフェイトちゃんが改めてラルさんを友達と思えばいいんじゃないかな……?」 それを聞いたフェイトは、ハッとしたような顔を俺へと向ける。 対する俺は笑顔を向けてやりながら、自分の利き腕を前に出した。 「と、言う事らしい。改めて、友達としてよろしくな。フェイト」 「……うん!」 俺とフェイトが握手をした時、隣で唸っていたはずのなのはから嗚咽が聞こえた。 どうしたんだろうか、そう考えていると、フェイトの表情もまた悲しげなものに変わった。 「少し、分かった事がある。友達が泣いていると、おんなじように自分も悲しいんだ」 きっと、フェイトが名前を呼んでくれた嬉しさや、別れの事が限界まで来たんだろう。 感極まったなのはが、フェイトへと抱きついた。 抱きついてきたなのはの頭を、フェイトが優しく撫でてやる。 「ありがとうなのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える。そうしたら、また君の名前を呼んでもいい?」 すでに声にする事もできないのか、頷きながらも離れることがない2人。 「会いたくなったらきっと名前を呼ぶ。 ……だから、なのはも私を呼んで。 なのはが困った時は今度はきっと、私がなのはを、みんなを助けるから。」 その言葉を聞いて、さらに強くなのははフェイトへと抱きついた。 そんな2人に今の俺が出来たのは、優しく頭を撫でてやるくらいだった。 「時間だ、そろそろいいか?」 やってきたクロノが、別れの時間を告げる。 その言葉に頷いたフェイトが、クロノたちとともに歩き出そうとした時。 「フェイトちゃん!」 そんなフェイトを、なのはが呼び止めた。 そして、髪を束ねていたリボンを外すとフェイトへと差し出す。 「思い出に出来る物……これくらいしかないけど」 「じゃあ、私も……」 それを見たフェイトもまた、自分の髪を止めていたリボンを外してなのはへと差し出す。 同時に、2人の手からそれぞれのリボンが交換された。 「ありがとう、なのは」 「うん……フェイトちゃん」 そんな2人を見て、俺もまた渡す物があった事を思い出した。 せっかくアースラから戻って来た後部屋に篭って作ったんだ、渡さなかったら苦労が水の泡になる。 「それじゃぁ、俺から2人にプレゼントだ」 再び相棒を取り出して、格納スペースから目当てのものを取り出す。 箱なんて用意する暇が無かったからそのままで悪いんだが…… 「どうせならお揃いがいいだろうって思ってな」 取り出したのは、銀細工のブレスレット。 なのはにはフェイトの髪色である金色の宝石を。 フェイトにはなのはの髪色の亜麻色の宝石を。 離れていても、お互いが友達であるのを分かり合えるように。 「ありがとう……大事にする」 「わぁ、ありがとう、ラルさん!」 「どういたしまして、いまいち味気ない奴で悪いがな」 いかんせん時間が無かったもんだから、そこまでこだわった物が作れなかった。 銀細工の調達に、予想以上に時間が掛かったってのもあるんだが…… 「それじゃあ、お別れだ」 3人の足元に展開される魔法陣。 その光に包まれるのを見ながら、なのはは涙ながらに見送る。 転送が開始される直前、フェイトが俺たちに向かって手を振った。 それに応じて、俺は片手を上げて答え、なのはは手を振り返す。 「またね、クロノ君、アルフさん、フェイトちゃん!」 そして、3人はこの地球から旅立って行った。 撫でるように優しく吹く風に包まれながら、なのはは3人が消えた後を見続けている。 「なのは」 「んじゃま、帰るか」 俺とユーノが、順になのはに向かって言うと、満面の笑顔で振り向いたなのはは元気よく答えた。 「うん!」 走り出したなのはと、その肩で揺られるユーノを見ながら、俺もゆっくりと歩き出した。 ここに、1つの事件に幕が降りた。 後は、変哲もなくて平凡な日常が、また始まるんだろう。 〜 あとがき 〜 これにて、無印完結〜 プレシア生存という事で、フェイトはテスタロッサのまんまですよ〜ん。 エロノの妹になんてしてやらんのじゃぁ! 閑話休題を挟んだ後、A'sが開始される訳ですが…… もうA'sからは開き直ってラルが大暴走でもしてやろうかと。 あーでも、それはそれで話が作りづらくなるような。 とりあえずはまぁ、いいか! それでは、このへんで。 From 時雨
初書き 2009/01/22
公 開 2009/09/11 |